Home - 緘黙基礎知識 - 緘黙症って何?
[目次]
- 緘黙症って何?
- 緘黙症の分類
- 合併する問題
- よくある誤解
■ 緘黙症って何?
緘黙症(mutism)とは、器質的障害がなく、言語の習得にも問題がないにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない状態のことを言います。
症状が重篤化すると、話すことができないだけでなく、思うように動くこともできなくなります。
緘黙症は、主に幼稚園児や小学校低学年の児童が発症します。読み方は「かんもくしょう」です。
統合失調症やヒステリー失声とは違います。また、発達障害とも通常分けて考えます。
まだまだ研究が進んでおらず、分からないことも多いです。
■ 緘黙症の分類
緘黙症は、話すことができない場面をもとに、場面緘黙症(selective mutism)と全緘黙症(total mutism)に分類することができます。
◇ 場面緘黙症
学校など、特定の場面で話すことができません。しかし、家では何の問題もなく話すことができます。特に、幼稚園や小学校への入学をきっかけに問題化します。緘黙症の多くが、この症状だと言われています。
このサイトでは、この場面緘黙症をメインに扱います。なお、「選択性緘黙」「選択的緘黙」「選択緘黙」とも呼ばれています。
◇ 全緘黙症
重度の緘黙症で、あらゆる場面で話すことができません。非常に稀なケースです。
■ 合併する問題
場面緘黙症は、単に話すことができないだけにとどまりません。他の問題を合併していることも多いです。
代表的なのは、分離不安障害などの何らかの不安障害です。特に社会不安障害や回避性障害は、ほとんどの緘黙症児は合併しているという報告もあります(Dummit et al., 1997; Black and Uhde, 1995)。
また、場面緘黙症の定義を広く取る論者からは、
発達障害や発達の遅れの問題(コミュニケーション障害、発達性協調運動障害、軽度精神発達遅滞、アスペルガー障害)を抱えた緘黙症児が、一般の子どもに比べて多いという指摘もあります(Kristensen, 2000)。
その他、夜尿症(Kristensen, 2000)、聴覚の問題(Bar-Haim, et al., 2004)、
などを合併している場合が、場面緘黙症でない子どもに比べて多いという報告もあります。
■ 緘黙症児の特徴
場面緘黙症児には様々な子がいますが、以下のような子が多いようです。
◇ 学校や幼稚園など、特定場面で沈黙している
家庭や親しい人が近くにいる場面だと話しますが、
家庭外(特に学校、幼稚園など)や親しくない人の前だと沈黙しています。
稀に、どの場面でも沈黙している子もいます。
◇ 不安を感じやすい
場面緘黙症児の多くは、不安を感じやすいです。
社会不安障害の診断基準に当てはまるという研究結果も(Kristensen, 2000; Dummit et al., 1997; Black and Uhde, 1995)。
これを裏付けていると見ていいでしょう。
◇ 極端な引っ込み思案である
学校や幼稚園などの場面で、仲間集団と積極的に関わることができないなど、極端に引っ込み思案な傾向が見られます。
◇ 動きがぎこちない、ゆっくり
身体の動きがぎこちなく、動作はゆっくりしています。ある学者は、これを「緘動」と名づけています(河井, 1994)。
◇ 笑わない
「笑わない」というよりむしろ、「笑えない」と言った方が正確かもしれません。極度の緊張で、
話すことだけでなく笑うことすらできなくなることもあります。
◇ 首などを使った非言語的コミュニケーション
話せないので、首や指を使って意思疎通を図ることがあります。
症状が重く、そうした非言語的なコミュニケーションすらできない場合もあります。
■ よくある誤解
◇ 場面緘黙症児は、自らの意思で話さないのではありません。話さないのではなく、話せないと表現した方が適切です。
◇ 場面緘黙症児は、ただの大人しい子ではありません。
大人しさを通り越して、学校でひどく緊張して話せない子です。
(05/07/2012)
Home - 緘黙基礎知識 - 緘黙症って何?
|